公益社団法人計測自動制御学会 会長 仲田 隆一

 新年明けましておめでとうございます.今年が,会員の皆様方にとってよい年であるようにお祈りいたします.年頭にあたり,本学会の事業推進方針,昨年度の主要な活動および今後の活動予定に関してご説明させていただきます.
 本学会は2012年度に創立50周年を記念して,SICE中期ビジョン「計測・制御・システムの中核学会として,①諸分野を横断して知を究め,新しい価値を創造し,②関連分野・産官学のハブとなり,発信・連携することで,社会的課題の抽出・解決に貢献する」と,それを達成するための4つの柱からなる中期目標「プレゼンスの向上,サービスの向上,国際性の向上,組織運営の強化」を定め,活動を行っています.
 これらの活動に加え,本学会の社会への貢献をより明確にするために,1)直接社会に貢献する活動(安全・安心社会の実現や産業の発展への貢献など),2)日本の国際化や国際社会に貢献する活動,3)次世代を担う人々への教育・啓蒙活動を,学会単独ではもちろん,学会間や産官学連携のもとで展開しています.
 安全・安心社会の実現に関しては,東日本大震災直後に立ち上げた「社会的課題抽出・展開専門委員会」での検討結果を,南海トラフへの備えを主題として9月に高知市で開催された「四国巨大災害危機管理会議」において,津波避難誘導制御システム設計などの具体例とともに紹介しました.また,5月に日本工学会主催で開催の「レジリエントな社会の構築」や11月に日本学術会議主催で開催の「東日本大震災・阪神大震災等の経験を国際的にどう活かすか」に参加しています.産業システムやプラントの安全に焦点を絞った活動としては,「安全のための計測・制御・システムを考える会」を設立し,実例研究も含めた活動を行っています.また,社会に対するより広い範囲の脅威の防止の観点から,制御系のセキュリティ対策を行う制御システムセキュリティセンターの活動の支援や自動車などの消費者機械の機能安全の確保を目的とした国際標準化活動の推進を行っています.
 国際化に関しても多くの活動を行っており,9月に札幌で開催された年次大会 SICE2014は2005年度に年次大会を英語のみでの発表にしてから10年目の大会でしたが,アジアを中心とした海外からの参加者が約20%を占めました.各部門の大会も含めて,本学会の国際化の基盤が着実に定着してきていると考えます.
 次世代を担う人々への教育・啓蒙活動としては,SICE Weekでのロボット・トライアスロン競技や小学生向けロボット工作教室,「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」におけるシステム制御情報学会と共同での学会活動の紹介などを行いました.さらに,将来を担う計測制御エンジニアの育成を目的として,計測制御エンジニア試験の実施とともに,続々プロセス塾を開催しています.この続々プロセス塾は日本工学会のECE(Engineering Capacity Enhancement) プログラムの認定を受けています.
 今年は,これらの活動をさらに強力に展開するとともに,年次大会を英語のみでの発表にしてから10年を経て,新たな国際化の飛躍に向けて踏み出す年だと考えています.主要な国際会議としては,まず,7月に中国で開催される年次大会SICE2015があります.これは,中国の中国自動化学会によるChinese Control Conferenceと併催という形で開催します.このSICE2015は,本学会のもつ計測・制御・システム技術を中国やアジア各国に向けて発信する絶好の機会であり,ぜひご参加いただき,本学会の一層の国際的なプレゼンス向上へのご協力をお願い申しあげます.そのほか,5月末からマレーシアで開催のアジア制御会議(ASCC2015),11月末から京都で開催の世界工学会議(WECC2015),11月に横浜で開催のIEEE IECONおよび12月に大阪で開催のIEEE CDCと,国際会議が数多くあります.
 これらの国際化や安全・安心社会の実現などの活動とともに,ITを活用して会員の皆様のご意見を直接お聞きする仕組みの構築や本学会の委員会構成の効率化などによる会員サービスの一層の向上に努める予定です.
 今後とも本学会のもつ計測・制御・システム技術を活用しての社会への貢献に努力してまいりますので,本学会のさらなる発展のために,皆様の引き続きのご支援とご協力をお願い申し上げます.