2014年度計測自動制御学会学会賞贈呈のため,杉江俊治氏を委員長とする学会賞選考委員会において慎重に選考の結果,下記論文賞10件,技術賞4件,著述賞2件,新製品開発賞1件,国際標準化賞1件が推薦され,理事会の決定を経て9月11日,北海道大学(SICE2014会場)において贈呈式を行い,受賞者に賞状および副賞が贈呈された.

[論文賞] 10件
(論文賞・蓮沼賞)
○高速視線制御光学系による高速飛翔体の映像計測
(SICE論文集Vol.49 No.9で発表)
東京大学・奥村光平君, 科学警察研究所・石井将人君, 巽 瑛理君
東京大学・奥 寛雅君, 石川正俊君
(論文賞)
○3軸加速度計とピエゾ荷重センサを用いたベッドモニタリングシステムに関する研究
(SICE論文集Vol.49 No.12で発表)
秋田県立大学・下井信浩君,間所洋和君
(論文賞・武田賞)
○On Construction of an H∞ Preview Output Feedback Law
(SICE JCMSI Vol.6 No.3で発表)
Tokyo Metropolitan University・Kotaro HASHIKURA君
Akira KOJIMA君
Kyoto Univ.・Yoshito OHTA君
(論文賞)
○自動車用ディーゼルエンジン触媒温度制御へのリファレンスガバナの応用
(SICE論文集Vol.49 No.2で発表)
トヨタ自動車・仲田勇人君
リカルドUKリミテッド・Gareth MILTON君, Peter MARTIN君
トヨタ自動車・家村曉幸君,大畠 明君
(論文賞)
○不均一なマルチエージェント系におけるリーダ追従のための協調適応制御-離散時間系の場合-
(SICE論文集Vol.48 No.9で発表)
東京大学・岡嶋 崇君,津村幸治君
東京工業大学・早川朋久君,石井秀明君
(論文賞)
○Performance Analysis of Random Dither Quantizers in Feedback Control Systems
(SICE JCMSI Vol.6 No.1で発表)
Kyoto University・Ryosuke MORITA君, Shun-ichi AZUMA君
Toshiharu SUGIE君
(論文賞・友田賞)
○Maximizing Cascade of Innovation on Networks
(SICE JCMSI Vol.6 No.2で発表)
National Defence Academy・Takanori KOMATSU君, Hiroshi SATO君
 Akira NAMATAME君
(論文賞)
○偏KL情報量に基づくクラス選択法の提案とEMG識別のための動作選定問題への応用
(SICE論文集Vol.48 No.9で発表)
広島大学・芝軒太郎君,島 圭介君,高木 健君,栗田雄一君
県立広島大学・大塚 彰君
兵庫県立リハビリテーション中央病院・陳 隆明君
広島大学・辻 敏夫君
(論文賞)
○腕運動の自己組織的役割分担生成を可能とするクモヒトデ型ロボットの自律分散制御
(SICE論文集Vol.49 No.1で発表)
安川電機・渡邉 航君,東北大学・鈴木翔太君, 加納剛史君
東北大学/JST CREST・石黒章夫君
(論文賞)
○布の折れ重なりやしわの状態,布地に着目した画像特徴量による無造作に置かれた布製品の個体識別
(SICE論文集Vol.49 No.7で発表)
信州大学/JST・山崎公俊君,東京大学・稲葉雅幸君

[技術賞] 4件
(技術賞)
○橋梁の危険予知用簡易スマートセンサの開発
(SICE論文集,日本機械学会論文集 (C編) などで発表)
秋田県立大学・下井信浩君,応用地質(株)・西條雅博君
(技術賞)
○Just-In-Time型ソフトセンサーとモデル予測制御を統合した品質推定制御システムの開発と実用化
(Industrial & Engineering Chemistry Research,化学工学などで発表)
昭和電工(株)・關 雄至君
昭和電工エレクトロニクス(株)・滝波明敏君
昭和電工(株)・下田恭平君
京都大学・加納 学君,金 尚弘君,長谷部伸治君
(技術賞)
○駐車運転技量育成のための力覚呈示を用いた運転行動支援システム
(SICE論文集 Vol.49 No.6で発表)
筑波大学・廣川暢一君,マツダ(株)・上杉直久君,古郡 了君
筑波大学・北川朋子君,鈴木健嗣君
(技術賞)
○燃焼安全技術の開発と燃焼安全ソリューションへの応用
(azbil Technical Review,工業加熱などで発表)
アズビル(株)・山田哲也君,山田 晃君,住吉啓介君
片桐宗和君,二村元規君,落合耕一君,熊澤雄一君
[著述賞] 2件
(著述賞)
○カルマンフィルタの基礎(2012年・東京電機大学出版局)
足立修一君,丸田一郎君 著
(著述賞)
○フィードバック制御理論―安定化と最適化―(2013年・(株)コロナ社)
志水清孝君 著

[新製品開発賞] 1件
(新製品開発賞)
○アンプ内蔵型光電センサ HP7 シリーズ
アズビル株式会社殿

[国際標準化賞] 1件
(国際標準化賞 功績賞) 三菱電機(株)・播磨太郎君
対象国際標準規格名:IEC61158シリーズ:工業用コミュニケーションネットワーク フィールドバスの仕様,IEC61784-1:工業用コミュニケーションネットワーク プロファイル 第1部:フィールドバスプロファイル,IEC61131-2:プログラマブルコントローラ 第2部:機器要求事項及び試験,IEC61131-6:プログラマブルコントローラ 第6部:機能安全PLCの機器要求事項及び試験,など.

受賞者略歴および受賞論文概要

(論文賞・蓮沼賞)

おくむら こうへい
奥 村 光 平 君(正会員)
2008年早稲田大学理工学部応用物理学科卒業.10年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻修士課程修了.13年同専攻博士課程修了.12~13年日本学術振興会特別研究員(DC2).13~14年同研究員(PD).大学院生・研究員時代は,駆動鏡面を用いた高速視線制御システムとその応用に関する研究に従事し,映像情報メディア学会鈴木記念奨励賞,日本ロボット学会学会誌論文賞,計測自動制御学会論文賞(蓮沼賞)等を受賞.現在,鈴榮特許綜合事務所勤務.博士(情報理工学).

いしい まさと
石 井 将 人 君(正会員)
1999年日本大学理工学部機械工学科卒業.2001年日本大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了.同年国土交通省大臣官房官庁営繕部.07年警察庁科学警察研究所研究員.13年同主任研究官,現在に至る.高速飛翔体の映像計測,衝突現象などの研究に従事.

たつみ えり
巽 瑛 理 君(正会員)
2009 年京都大学工学部物理工学科卒業.11年京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻修士課程修了.同年警察庁科学警察研究所研究員.警察庁では,高速飛翔体の映像計測,衝突現象などの研究に従事.現在,東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程在学中.

おく ひろまさ
奥 寛 雅 君(正会員)
1998年東京大学理学部物理学科卒業.2000年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了.03年同専攻博士課程修了.03~05年科学技術振興機構研究員.05年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻助手.07年同助教.11年同講師.14年群馬大学大学院理工学府電子情報部門准教授,現在に至る.博士(工学).高速光学デバイスと高速画像処理による映像制御に関する研究に従事.10,13年日本ロボット学会論文賞などを受賞.

いしかわ まさとし
石 川 正 俊 君(正会員・フェロー)
1977年東京大学工学部計数工学科卒業.79年同大学院工学系研究科計数工学専門課程修士課程修了.同年通産省工業技術院製品科学研究所研究員.89年東京大学工学部計数工学科助教授.99年同大学院工学系研究科計数工学専攻教授.2002年東京大学総長特任補佐,04年同副学長,05年同理事・副学長.現在,東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻教授.超並列・超高速ビジョン,超高速ロボット,センサフュージョン,ダイナミックイメージコントロール,メタパーセプション,触覚センサの知能化などの研究に従事.工学博士.84, 2010年計測自動制御学会論文賞などを受賞.2011年紫綬褒章受章.

受賞論文「高速視線制御光学系による高速飛翔体の映像計測」
多くの産業や研究・開発分野などで,数百メートル毎秒といった音速に近い速度で飛翔する物体の物理計測(速度,加速度,衝撃など)が成され,その中でも特に高速度カメラを使用した映像計測が盛んに行われている.ところが従来の飛翔体の映像計測では,高速度カメラを飛翔体軌道上に向けた状態で固定し,限られたわずかなフレームを記録するという手法がとられていた.これでは,記録時間(継続性)と計測対象に占めるピクセル数(高精細性),および画像の明るさとモーションブラーの影響の小ささが,それぞれトレードオフとなってしまうという問題が生じる.本研究では,筆者らが開発した高速視線制御光学系を使用することで,飛翔体の動きにカメラの視線方向を整合させ,これらトレードオフを解決し,高速飛翔体の優れた映像計測を実現させた.

(論文賞)

しもい のぶひろ
下 井 信 浩 君(正会員)
1982年職業能力開発総合大学校卒.東芝生産技術研究所研究員を経て, 87年防衛庁入省, 95年信州大学博士(工学),国立東京工業高等専門学校准教授,現職は秋田県立大学システム科学技術学部教授.スマートセンシング,介護ロボット,飛行ロボット,極限作業ロボットの研究等に従事.日本機械学会,IEEEなどの会員.

まどころ ひろかず
間 所 洋 和 君(正会員)
1976年2月9日生.2000年秋田大学大学院鉱山学研究科博士前期課程情報工学専修了.同年松下システムエンジニアリング(株)入社.02~08年秋田県産業技術総合研究センター研究員.10年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(工学).現在,秋田県立大学システム科学技術学部准教授.機械学習,ロボットビジョンの研究に従事.電子情報通信学会,日本ロボット学会,日本福祉工学会,IEEEなどの会員.

受賞論文「3軸加速度計とピエゾ荷重センサを用いたベッドモニタリングシステムに関する研究」
今日,高齢者の人口増加は介護負担が増大する社会的な問題とされている.特に本研究では,介護者が求めている離床・離床予測に関する自動計測技術について提案する.
「離床」および「離床予測」の判断を自律で実施するためには,被介護者のQOLを尊重し,実用性を重視したシステム設計が重要である.そのため独自のピエゾ荷重センサと3軸加速度計を用いた複合センサシステムを開発し,遠隔から離床予測などのモニタリングが可能な,安全で誤作動の少ないシステムの研究を実現した.本論文においては,使用するセンサの種類を限定し,病院や介護老人福祉施設などにおける離床および離床予測に関するモニタリングを想定し,機械学習法を取り入れた最新手法による結果を報告する.

(論文賞・武田賞)

Dr. Kotaro HASHIKURA(Member)
He received the B.S. degree in Mechanical Engineering, the M.S. degree in Informatics, and the Ph.D. degree in Engineering from Kyushu Institute of Technology, Fukuoka, Japan in 2006, from Kyoto University, Kyoto, Japan in 2010, and from Tokyo Metropolitan University, Tokyo, Japan in 2014, respectively. He is currently a Project Research Associate at Tokyo Metropolitan University. His research interests include time-delay-related control techniques, such as deadbeat, preview-predictive and repetitive controls. He is a member of IEEE and ISCIE.

Prof. Akira KOJIMA(Member)
He received the B.S., M.S., and Dr.Eng. degrees in Electrical Engineering from Waseda University, Tokyo, Japan, in 1987, 1989 and 1991, respectively. From 1991 until 2004, he has been with the Department of Electronic Systems Engineering, Tokyo Metropolitan Institute of Technology. From 2005, he is with the Faculty of System Design, Tokyo Metropolitan University, where he is currently a Professor. From 2000 to 2001, he was a visiting researcher at the Automatic Control Laboratory, Swiss Federal Institute of Technology (ETH). His research interests include Robust Control, Predictive Control, and Control Theory for Infinite-dimensional Systems. He is a member of IEEE and ISCIE.

Prof. Yoshito OHTA(Member)
He received the Bachelor of Engineering Degree, the Master of Engineering Degree, and the Doctor of Engineering Degree in Electronic Engineering in 1980, 1982, and 1986 respectively, all from Osaka University, Suita, Japan. In 1983, he joined the Department of Electronic Engineering, Osaka University as a Research Associate.
In 1991, he became a Lecturer at the Department of Computer-Controlled Machinery, Osaka University, and in 1999 he became a Professor at the Department of Computer-Controlled Mechanical Systems, Osaka University. In 2006, he joined the Department of Applied Mathematics and Physics, Kyoto University, where he is currently a Professor. From 1986 to 1988, he was a Visiting Scientist at the Laboratory for Information and Decision Systems, Massachusetts Institute of Technology, USA. His research interests include Robust Control and Linear System Theory. He is an associate editor of European Journal of Control and Automatica.

受賞論文「On Construction of an H∞ Preview Output Feedback Law」
In preview control problems, efficient use of future reference or disturbance signals is investigated to improve control performances.
This paper addresses a class of H∞ preview control problems where information on the state variables and exogenous disturbance is only partially available, and reveals the clear preview-feedforward structure of the controller. To that end, the J-spectral factorization technique in the literatures is reviewed
with explicit consideration of the PDE realization of the time-delay element, and a state-space interpretation is given by proposing new state-variable transformations. The explicit solution of the control-type operator Riccati equation is also constructed by the state-variable transformations.

(論文賞)

なかだ はやと
仲 田 勇 人 君(正会員)
2005年京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻博士後期課程修了.同年トヨタ自動車(株)に入社,現在に至る.モデルベース制御手法に基づくエンジン制御の研究・開発に従事.博士(情報学).

Dr. Gareth MILTON(Member)
He received BE and PhD degrees from the University of New South Wales in Sydney, Australia, specialising in Mechatronics and Control Systems. He joined Ricardo's Powertrain Control and Integration department in 2007 and works as a Principal Engineer. His work is primarily focused on the research and development of advanced control systems for engine and vehicle applications.

Dr. Peter MARTIN(Member)
He received BEng, MSc and PhD degrees from Universities of Leicester, Manchester and Strathclyde, UK, respectively, specialising in Control Systems. Since 2004, he has been with the Ricardo Powertrain Control and Integration Department in Shoreham, UK. He is employed as Technical Specialist, working on development of advanced controllers and models for a range of engine and vehicle consulting projects.

いえむら あきゆき
家 村 曉 幸 君(正会員)
1997年北海道大学大学院工学研究科修士課程修了.同年トヨタ自動車(株)に入社.現在に至る.ディーゼルエンジンの燃焼制御システム,触媒制御システムの開発に従事.

おおはた あきら
大 畠 明 君(正会員)
1973年東京工業大学工学部制御工学科卒業.同年トヨタ自動車(株)に入社.東富士研究所にて,排気ガス浄化システム,吸排気系,自動車制御システムの研究開発,制御理論教育,制御システム開発環境開発などに従事.現在,エンジン先行制御システム開発部,FP部理事.Convergence 2004 最優秀論文賞,自動車技術会技術功労浅原賞受賞.自動車技術会などの会員.

受賞論文「自動車用ディーゼルエンジン触媒温度制御へのリファレンスガバナの応用」
本論文では,自動車用ディーゼルエンジンの触媒温度制御へのリファレンスガバナの応用について考察する.リファレンスガバナとは,制約を考慮して制御目標値を修正する機構である.提案するリファレンスガバナのアルゴリズムは,触媒温度モデルを用いた有限時間将来の予測に基づいて制約の抵触有無を判定し,制約を満足しつつ最も元の目標値に近いものに修正する.触媒温度モデルは,触媒,排気ガスおよび大気との熱流量の授受に基づいて導出される.修正目標値の探索のため,効率良くオンライン演算を行える手法として二分探索法を適用する.二分探索法における修正目標値の探索区間は,モデル化誤差を考慮して目標値変化とは逆方向の探索を許容する.最後に,数値シミュレーションおよび実験結果を示して,本提案手法の有効性を示す.

(論文賞)

おかじま たかし
岡 嶋 崇 君(正会員)
2004年東京大学工学部計数工学科卒業,13年同大学院情報理工学研究科システム情報学専攻博士課程修了.博士(情報理工学).マルチエージェント系の適応制御の研究に従事.

つむら こうじ
津 村 幸 治 君(正会員)
1992年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了.同年千葉大学情報工学科助手.96年同講師.98年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻講師.2000年同助教授,現在に至る.博士(工学).制御理論,システム同定,システム解析などの研究に従事.システム制御情報学会,IEEEなどの会員.

はやかわ ともひさ
早 川 朋 久 君(正会員)
1997年京都大学工学部航空工学科卒業.2003年ジョージア工科大学博士課程修了(航空宇宙工学).京都大学21世紀COE 研究員,科学技術振興機構CREST 研究員を経て,06年東京工業大学情報理工学研究科准教授(助教授).現在に至る.ダイナミカルシステム・制御理論の研究に従事.Ph.D. IEEE, AIAAなどの会員.

いしい ひであき
石 井 秀 明 君(正会員)
2002年トロント大学電気工学科博士課程修了.01年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校Coordinated Science研究所ポスドク研究員.04年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻助手.07年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻准教授となり,現在に至る.Ph.D. ネットワークを介した制御系,マルチエージェント系の協調制御,ハイブリッド制御,確率的アルゴリズムなどの研究に従事.システム制御情報学会,電子情報通信学会,IEEEの会員.

受賞論文「不均一なマルチエージェント系におけるリーダ追従のための協調適応制御-離散時間系の場合-」
本論文では,不確かで不均一なダイナミクスを有する複数の離散時間システムからなるマルチエージェントシステムに対して,リーダー追従を実現する分散的で協調的な適応制御を提案している.提案する制御器は,不確かで不均一な各エージェントのダイナミクスをおのおの修正してシステム全体を均一とする適応制御部と,近隣エージェントとの状態変数の差分をフィードバックし,リーダー追従を実現する状態フィードバック制御から構成される.提案手法の重要な特徴のひとつは,一部の状態変数が必ずしも有界である必要がないということであり,これにより応用上重要な例である,移動を続けるビークルフォーメーションへの適用が可能となっている.対数型リアプノフ関数を用いることにより,状態追従が達成され,追従誤差とパラメータ誤差からなる誤差システムがリアプノフ安定であることを証明している.また提案手法の有効性を数値例を用いて検証している.

(論文賞)

Prof. Ryosuke MORITA(Member)
Ryosuke Morita received the B.S. degree in engineering, the M.S. and Ph.D. degree in informatics from Kyoto University, Japan in 2008, 2010, and 2013 respectively. From 2013 to 2014, he was a Specially Appointed Researcher in Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University. He is currently an Assistant Professor of the College of Science and Engineering, Aoyama Gakuin University.

Prof. Shun-ichi AZUMA(Member)
Shun-ichi Azuma received the B.Eng. degree in electrical engineering from Hiroshima University in 1999, and the M.Eng. degree in control engineering and Ph.D. degree in mechanical and environmental informatics from Tokyo Institute of Technology in 2001 and 2004, respectively. He was a research fellow of the Japan Society for the Promotion of Science from 2004 to 2005 and an Assistant Professor in the Graduate School of Informatics, Kyoto University, from 2005 to 2011. He is currently an Associate Professor at Kyoto University. He held visiting positions at Georgia Institute of Technology from 2004 to 2005 and at University of Pennsylvania from 2009 to 2010. He serves as Associate Editors of IEEE CSS Conference Editorial Board from 2011, IEEE Transactions on Control of Network Systems from 2013, and IFAC Journal Automatica from 2014.

Prof. Toshiharu SUGIE(Member, Fellow)
Toshiharu Sugie received his doctor degree in engineering from Kyoto University in 1985. He was a research member of Nippon Telegraph and Telephone Corp during 1978–1980, and a research associate of University of Osaka Prefecture during 1984–1988. He joined Kyoto University in 1988, where he is currently a Professor at the Department of Systems Science. He is an IEEE Fellow.

受賞論文「Performance Analysis of Random Dither Quantizers in Feedback Control Systems」
This paper analyzes the performance of the random dither quantizers from the viewpoint of feedback control. In particular, we focus here on the uniform random dither quantizers, which quantize signals by using an artificially introduced random signal on a uniform distribution. First, an upper bound of the performance is derived, which enables us to easily estimate the performance of the random dither quantizers.Next, the relation between the performance and the sampling period is clarified. Furthermore, the former theoretical result is demonstrated by an experiment using an inverted pendulum system.

(論文賞・友田賞)

Prof. Takanori KOMATSU(Member)
He is a officer of Japan Air Self Defense Force. He holds the bachelor’s degree of Science in Electrical and Electronic Engineering at Tokyo University of Agriculture and Technology in Japan, and Master and Doctor of Science in Computer Science and Engineering at National Defense Academy of Japan. His research interests include Network Design, Network Security and Multi-Agents. His email is takanori.komatsu00@gmail.com and his personal webpage at http://www.nda.ac.jp/ ^jp/~sato/taka/

Prof. Hiroshi SATO(Member)
He is associate professor of Dept. of Computer Science, National Defense Academy of Japan. He holds degrees of Physics from Keio University, and Master and Doctor of Engineering from Tokyo Institute of Technology in Japan. His research interests include Agent based Simulation, Evolutionary Computation, and Artificial Intelligence. His email is hsato@nda.ac.jp and his personal webpage at http://www.nda.ac.jp/ ^jp/~hsato/

Prof. Akira NAMATAME(Member)
He is professor of Dept. of Computer Science National Defense Academy of Japan. He holds the degrees of Engineering in Applied Physics from National Defense Academy, Master of Science in Operations Research and Ph.D. in Engineering-Economic System from Stanford University. His research interests include Multi-Agents, Game Theory, Evolution and Learning, Complex Networks, Economic Sciences with Interaction Agents and A Science of Collectives. He is a member of the AAAI, the IEEE, the SICE. His email is nama@nda.ac.jp and his personal webpage at http://www.nda.ac.jp/ ~?nama

受賞論文「Maximizing Cascade of Innovation on Networks」
Diffusion of innovation is usually difficult, because many members in society had not adopted innovation initially and people are usually rational: they select risk dominant solution and keep initial state. Cascade phenomena, which are sequences of adoption by agents, are the important driven forces for the society to make a successful diffusion of innovation, emergence of social norm and opinion formation. There are certain kinds of networks (ex. social network) under these cascade phenomena and the topologies will affect the dynamics. The cascade phenomena can occur in specified range of conditions (or known as cascade windows) defined by both the average degree of the underlying network topologies and the threshold of each agents (or nodes). This paper shows what kind of network topology maximizes cascade of innovation in terms of cascade window using evolutionary optimization method and how the network topology drives cascade phenomena at wider conditions than other networks. From results of the optimization, the best networks have both cluster of hub nodes and cluster of nodes with a few links, which are called vulnerable nodes. By a detailed consideration of topologies of the best networks, the authors also propose a network model (P model) to maximize the cascade of innovation, in which a mechanism of probabilistic growing network is used. At each discrete time step, one new node and constant number of new links are introduced and added to hub nodes or vulnerable nodes in the network depending on a certain probability. The P model has better scalability compared with evolutionary optimizing method in terms of time complexity and can make networks that drive cascade phenomena at wider conditions than evolutionary optimized networks. The success of P model strengthens the importance of both cluster of hub nodes and cluster of vulnerable nodes for maximizing cascade of innovation on networks.

(論文賞)

しばのき たろう
芝 軒 太 郎 君(正会員)
2010年広島大学大学院工学研究科博士課程前期修了.12年同博士課程後期修了.11年日本学術振興会特別研究員(DC2),12年同特別研究員(PD),13年広島大学大学院工学研究院特任助教を経て,14年より茨城大学工学部助教,現在に至る.博士(工学).生体信号解析,次元削除,マン・マシン・インタフェースなどの研究に従事.IEEE,日本ロボット学会などの会員.

しま けいすけ
島 圭 介 君(正会員)
2007年広島大学大学院工学研究科博士課程前期修了.09年同博士課程後期修了.07~08年日本学術振興会特別研究員(DC1),09~12年同特別研究員(PD).同年横浜国立大学大学院工学研究院助教を経て,13年同准教授,現在に至る.博士(工学).生体信号解析,ニューラルネット,ヒューマンインタフェースなどの研究に従事.IEEEなどの会員.

たかき たけし
高 木 健 君(正会員)
2006年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了.博士(工学).06~07年同大学研究員.07年広島大学大学院工学研究科特任助教.08年同大学助教.11年同大学工学研究院准教授となり現在に至る.ロボットハンド,力可視化メカニズム,機構設計などの研究に従事,日本ロボット学会,日本機械学会,日本IFToMM会議,日本コンピュータ外科学会,IEEE の会員.

くりた ゆういち
栗 田 雄 一 君(正会員)
2004年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(工学).05年広島大学大学院工学研究科特任教員,07年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教,10年ジョージア工科大学客員研究員を経て,11年より広島大学大学院工学研究科准教授.同年より科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任.ヒューマンモデリングとその工学的応用に興味をもつ.IEEE,日本ロボット学会,日本人間工学会などの会員.

おおつか あきら
大 塚 彰 君(正会員)
1972年高知リハビリテーション学院卒業,2002年広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了.博士(工学) .徳島大学医学部附属病院,愛媛大学医学部附属病院などを経て,95年県立広島大学保健福祉短期大学教授,2000年広島県立保健福祉大学教授,現在(県立広島大学教授)に至る.日本義肢装具学会土屋和夫論文賞(2000),日本義肢装具学会飯田賞本賞(2003),医科器械学論文賞(2003)などを受賞.義手を含む福祉用具の開発研究に従事.日本義肢装具学会,日本リハビリテーション医学会,日本理学療法士協会などの会員.

ちん たかあき
陳 隆 明 君(正会員)
1986年徳島大学医学部卒業.神戸大学整形外科講座入局.87-91年神戸大学医学部大学院博士課程修了.神戸大学大学院医学博士.90-92年マックギル大学(カナダ)留学,客員研究員.92年から兵庫県立総合リハビリテーションセンター整形外科医長兼リハビリテーション科医長を経て2006年より部長.07年から神戸大学大学院客員准教授.国際義肢装具協会(International Society for Prosthetics and Orthotics)本部理事,日本支部会長,フェロー,日本義肢装具学会副会長,理事を歴任.日本義肢装具学会代議員、日本リハビリテーション学会代議員,日本脊髄障害医学会評議員,日本整形外科学会専門医,日本リハビリテーション学会専門医・指導責任者.11年ロボットリハビリテーションセンター長,14年兵庫県立福祉のまちづくり研究所長.2001年飯田賞奨励賞(日本義肢装具学会),2006年飯田賞本賞(日本義肢装具学会).

つじ としお
辻 敏 夫 君(正会員)
1985 年広島大学大学院工学研究科博士課程前期修了.同大学工学部助手,同助教授を経て,2002年より同大学大学院工学研究科教授,現在に至る.工学博士.計測自動制御学会学術奨励賞(86),論文賞(2002, 2008),バイオメカニズム学会論文賞(90),日本義肢装具学会論文賞(2000),The K.S.Fu Memorial Best Transactions Paper Award of the IEEE Robotics in 2003,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門学術業績賞(2004)などを受賞.人間とロボットの運動制御,生体信号解析,ニューラルネット,ヒューマン・マシンシステムなどの研究に従事.IEEE,日本人間工学会,バイオメカニズム学会,日本機械学会,電気学会などの会員.

受賞論文「偏KL情報量に基づくクラス選択法の提案とEMG識別のための動作選定問題への応用」
本論文では,偏Kullback-Leibler (KL) 情報量に基づく新しいクラス選択法を提案し,筋電位(Electromyogram: EMG)のパターン識別における動作選定問題へ応用する.筋電位による機器操作経験がない被験者や,また上肢切断者などの肢体不自由者においては発生すべき筋電位が安定せず,識別対象動作数の増加に伴い識別精度が大きく低下してしまう場合がある.そこで,被験者が安定して生体信号を発生可能な動作(識別対象のクラス)を選定することで識別精度の向上を図る.提案法は,まず使用者から計測した信号の確率密度関数をKL情報量に基づいた確率ニューラルネットの学習によって推定する.そして,あらかじめ与えられた各クラスが識別に与える影響度の評価指標として新たにクラス偏KL情報量を定義し,それに基づいて識別精度に最も悪影響を与えているクラスを一つずつ削除していくことで識別可能なクラスのみを選択する.
実験では,まず上肢切断者を含む4名の被験者に対し,あらかじめ学習させた多数の動作から提案法を用いて識別可能な動作を選定した.そして,選定した動作を用いてEMG識別実験を行った結果,平均識別率が93.03±1.25%と高いことから,提案法によるクラス選定の有効性を確認した.

(論文賞)

わたなべ わたる
渡 邉 航 君(正会員)
2008年名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻博士前期課程修了.12年東北大学大学院工学研究科電気・通信工学専攻博士後期課程修了.博士(工学).同年,(株)安川電機に入社.現在に至る.IEEE,日本ロボット学会,日本数理生物学会の会員.

すずき しょうた
鈴 木 翔 太 君(正会員)
2011年東北大学工学部情報知能システム総合学科卒業.13年東北大学大学院工学研究科電気・通信工学専攻博士前期課程修了.修士(工学).同年,キヤノン(株)入社.現在に至る.

かのう たけし
加 納 剛 史 君(正会員)
2002年北海道大学医学部医学科卒業,同年,北海道大学附属病院第一内科研修医.08年大阪大学大学院生命機能研究科博士課程修了(博士(理学)).同年,同大学特任研究員.09年東北大学助教(大学院医学系研究科).11年東北大学電気通信研究所助教.現在に至る.主として非線形科学,現象数理学に関する研究に従事.11 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems NTF Award Finalist for Entertainment Robots and Systems などを受賞.IEEE,日本ロボット学会,日本数理生物学会の会員.

いしぐろ あきお
石 黒 章 夫 君(正会員)
1991年名古屋大学大学院工学研究科電子機械工学専攻博士課程後期課程修了.同年, 同大学助手.97年同大学大学院工学研究科計算理工学専攻助教授.2006年東北大学工学研究科電気・通信工学専攻教授.11年東北大学電気通信研究所教授,現在に至る.この間,チューリッヒ大学客員教授.主として,生物規範型ロボティクス,数理生物システム論に関する研究に従事.工学博士.03 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems Best Paper Award Nomination Finalist,04 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems Best Paper Award,08年イグ・ノーベル賞(認知科学賞),09 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems Best Paper Award Nomination Finalist,11 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems NTF Award Finalist for Entertainment Robots and Systems, The International Conference on Biomimetic & Biohybrid Systems Best Paper Award などを受賞.IEEE,日本ロボット学会,日本機械学会,日本数理生物学会などの会員.

受賞論文「腕運動の自己組織的役割分担生成を可能とするクモヒトデ型ロボットの自律分散制御」
本研究ではクモヒトデのロコモーションに着目し,生物が示す多様かつ多芸多才な振る舞いの発現機序の解明に取り組む.クモヒトデという生物は,脳などの中枢が存在しない単純な神経系しかもたないにもかかわらず,5本の腕の役割(前方探索・推進・支持など)を状況に応じて変更しながら動き回ることが可能である.本研究では,このクモヒトデの振る舞いにおける腕運動の自発的役割分担生成,ならびにその動的な切り替えを可能とする制御のメカニズムを明らかにすることを目的とする.この目的のため,振動性のみならず興奮性をも記述可能なActive Rotatorを素過程としたクモヒトデ型ロボットの自律分散制御の数理モデルを構築し,シミュレーション実験によりその妥当性を検証した.その結果,誘引刺激・忌避刺激位置の変化や神経系のトポロジーの変化に応じて腕運動の機能分化が適切に行われ,全方向へのロコモーションが生成されたので報告する.

(論文賞)

やまざき きみとし
山 崎 公 俊 君(正会員)
2002年筑波大学第三学群工学システム学類卒業,07年筑波大学大学院システム情報工学研究科修了,博士(工学).同年より東京大学特任助教,特任講師を経て,12年より信州大学助教.06年から07年まで日本学術振興会特別研究員,10年から14年まで科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任.知能ロボティクスやセンサ情報処理の研究に従事.日本機械学会,日本ロボット学会などの会員.

いなば まさゆき
稲 葉 雅 幸 君(正会員)
1981年東京大学工学部機械工学科卒業,86年東京大学大学院情報工学専門課程 博士課程修了(工学博士).86年東京大学講師,助教授を経て,2000年教授.現在東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻所属.知能ロボット基盤システムの研究教育に従事.日本機械学会,日本ロボット学会などの会員.

受賞論文「布の折れ重なりやしわの状態,布地に着目した画像特徴量による無造作に置かれた布製品の個体識別」
本論文では,無造作に置かれた布製品の個体識別を目的として,しわや折れ重なり,布地の性質などに由来する特徴量記述について述べた.多数のガボールフィルタから構成されるフィルタバンクを用いて画像を分析し,そこからいくつかの特徴量を計算する方法を示した.そして,それらの特徴量を学習データとし,機械学習手法を用いて識別器を生成して,その性能を実画像によって検証した.この結果,布地の違いやしわの分布に着目した特徴量記述を用いることで高精度の識別が行なえることがわかった.

(技術賞)

しもい のぶひろ
下 井 信 浩 君(正会員)
(論文賞参照)

さいじょう まさひろ
西 條 雅 博 君(正会員)
1990年神戸市立工業高等専門学校機械工学科卒業.応用地質(株)入社.フィールドモニタリングに関する計測機器の設計開発に従事.傾斜計自動計測システムの開発,携帯電話通信網を用いた遠隔監視モニタリングシステムの開発などを行う.

受賞論文「橋梁の危険予知用簡易スマートセンサの開発」
戦後の復興期に建設された多くの橋梁などの構造物は耐用年数を迎え,日本全国のインフラの安全管理が危機に直面している.本論文では,簡易計測技術を用いて橋梁や構造物の変形などによる振動変化を計測し,解析するための,簡易ひずみ計測ボルトセンサを用いたモニタリングシステムを提案する.われわれは,センサの基本特性を確認するため,振動試験機を用いてレーザ変位センサや加速度計との比較試験を行い,さらに仮設橋において,通行車両を利用した振動計測や変位計測を実施した.また,センサの出力値から簡易計算式を用いた加速度変換や変位変換の可能性についても検討している.従来から,実用的な条件において橋梁などの健全性を評価することは,システムの精度と信頼性においていくつかの問題が存在している.これらの問題点を解決するための方法として,安価な簡易計測センサの開発と本計測システムの利点について述べる.

(技術賞)

せき たけし
關 雄 至 君(正会員)
2006年京都大学工学部情報学科卒業.08年同大学大学院情報学研究科修士課程修了.同年昭和電工に入社,大分コンビナート配属.高度制御,生産計画,ソフトセンサーなどのシステム開発に従事,現在に至る.計測自動制御学会制御部門大会技術賞受賞.

たきなみ あきとし
滝 波 明 敏 君(正会員)
1987年名古屋大学工学部化学工学科卒業.89年同大学大学院修士課程修了.同年昭和電工に入社.高度制御,生産計画,ソフトセンサーなどのシステム開発およびプロセス検討に従事.2013年昭和電工エレクトロニクスに移り,現在に至る.11年計測自動制御学会技術賞受賞.

しもだ きょうへい
下 田 恭 平
2009年山口大学理学部数理科学科卒業.11年同大学大学院修士課程修了.12年昭和電工に入社,大分コンビナート配属.高度制御,生産計画,ソフトセンサーなどを活用した省エネ検討に従事,現在に至る.計測自動制御学会技術賞,計測自動制御学会制御部門大会技術賞受賞.

かのう まなぶ
加 納 学 君(正会員)
1994年京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程修了.同年同助手.2004年同助教授,07年同准教授,12年京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻教授となり,現在に至る.プロセスデータ解析,プロセス制御,生体情報処理などの研究に従事.計測自動制御学会論文賞武田賞,技術賞,教育貢献賞,制御部門パイオニア技術賞,化学工学会奨励賞内藤雅喜記念賞,日本鉄鋼協会計測・制御・システム研究賞などを受賞.化学工学会,製剤機械技術学会,日本鉄鋼協会,システム制御情報学会,AIChE,IEEEなどの会員.博士(工学).

きむ さんほん
金 尚 弘 君(正会員)
2014年京都大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程修了.同年同助教.プロセスデータ解析,プロセス制御に関する研究に従事.システム制御情報学会奨励賞,計測自動制御学会制御部門大会技術賞を受賞.博士(工学).システム制御情報学会,化学工学会,AIChEなどの会員.

はせべ しんじ
長谷部 伸 治 君(正会員)
1981年京都大学大学院博士課程研究指導認定退学.京都大学工学部化学工学科助手,講師,助教授を経て,2003年工学研究科化学工学専攻教授,現在に至る.プロセスシステム工学に関する研究に従事.工学博士.システム制御情報学会,化学工学会,日本OR学会,分離技術会,日本工学教育協会,AIChEなどの会員.

受賞論文「Just-In-Time型ソフトセンサーとモデル予測制御を統合した品質推定制御システムの開発と実用化」
本技術開発では,製品特性の厳密な管理と運転コストの削減を同時に実現するため,製品特性を高精度に予測できるソフトセンサーとモデル予測制御を統合した推定制御システムを開発した.本システムは,昭和電工大分プラントの分解ガソリン精留塔や有機物精製工程など複数のプロセスにおいて既に2年半以上に渡って安定稼働しており,運転コストや環境負荷の大幅な削減が達成されるなど,顕著な効果が確認されている.本技術の特徴として,ソフトセンサー構築にJust-In-Time型モデルである局所PLSを利用したことが挙げられる.これにより,運転条件の変更やプロセス特性の変化などによるソフトセンサーの推定精度劣化を防ぐことが可能となった.石油化学の他,鉄鋼,半導体,製薬など様々な産業界において,ソフトセンサーの保守負担が実用化の大きな障壁となっているため,この問題を解決した本技術は産業界に広く大きな影響を与えるものと期待される.

(技術賞)

ひろかわ まさかず
廣 川 暢 一
2009年筑波大学第三学群工学システム学類卒業.11年同大学大学院博士前期課程修了.14年同大学大学院システム情報工学研究科知能機能システム専攻博士後期課程終了.博士(工学).同大学システム情報工学研究科研究員を経て14年より筑波大学助教に就任,現在に至る.

うえすぎ なおひさ
上 杉 直 久
1999年筑波大学第三学群基礎工学類卒業.2001年同大学理工学研究科理工学専攻修了.10年横浜国立大学国際社会科学研究科経営学専攻修了.01年マツダ(株)入社,技術本部商品生技部配属.工程シミュレーション技術開発に従事.03年技術研究所に異動,自動車の振動騒音研究,軽量車体研究に従事.08年横浜研究所に異動,現在に至る.将来技術の企画を担当後,現在は人間工学・感性工学に関する研究に従事.自動車技術会会員.

ふるごおり さとる
古 郡 了
1985年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業.同年マツダ(株)に入社.技術研究所配属,87年横浜研究所に異動.排気音質,高質感内装材,シート快適性など人間工学の研究開発を担当.現在は未来車両の新機能研究に従事.自動車技術会,日本人間工学会会員.

きたがわ ともこ
北 川 朋 子
1992年大妻女子大学短期大学部英文科卒業.同年マツダ(株)入社.テキストマイニング技術を用いたVOC(Voice of Customer)分析や顧客心理量の計測技術の開発などを担当.現在は,ビッグデータ解析技術の開発,およびサービス工学研究に従事.

すずき けんじ
鈴 木 健 嗣 君(正会員)
1997年早稲田大学理工学部物理学科卒業.2000年日本学術振興会特別研究員,03年同大学大学院理工学研究科物理学および応用物理学専攻博士課程修了.博士 (工学).同大学理工学部助手を経て 05年より筑波大学講師,12年より同大学准教授,現在に至る.98年伊・ジェノヴァ大学工学部,09年仏・カレッジ・ド・フランス客員研究員.IEEE,ACM,日本ロボット学会,情報処理学会,人工知能学会などの会員.

受賞論文「駐車運転技量育成のための力覚呈示を用いた運転行動支援システム」
本稿では,後ろ向き駐車に関する運転技量の向上を目的とした新しい運転行動支援システムについて述べる.提案手法は,ステアリングを介した力覚呈示により駐車に適切なステアリングの操作量・タイミングを運転者に教示する,操作支援に分類される運転支援手法である.これにより,日々の運転を通した運転の習熟の効率化と,それによる安全性の向上を目的とする.本稿では始めに,支援方法の策定のために行った実車を用いた駐車行動計測実験について説明を行い,それにより得られた人の運転特性と駐車成績との関係について述べる.つぎに,提案手法を実装するために開発した実車の1/10スケールのシミュレーション環境について詳述する.最後に,開発したシミュレータを用いた支援効果の検証実験の結果に基づき,提案手法による運転技量向上の可能性について考察を行う.

(技術賞)

やまだ てつや
山 田 哲 也
1984年横浜国立大学工学部電気工学科卒業,同年山武ハネウエル(株)(現アズビル(株))入社,RAD技術部配属,燃焼安全機器の開発に従事,バーナコントーラ,ボイラコントローラなどの開発に従事,2002年PDC第4開発部第5グループマネジャー,12年開発3部1グループマネジャー,14年開発3部副部長,現在に至る,安全工学会会員.

やまだ あきら
山 田 晃
1988年青山学院大学理工学部電気電子工学科卒業,同年山武ハネウエル(株)(現アズビル(株))入社以来,燃焼制御用コントローラのソフトウエア,ハードウエア開発に従事,現在に至る.

すみよし けいすけ
住 吉 啓 介
1990年東海大学工学部電子工学科卒業,同年山武ハネウエル(株)(現アズビル(株))入社,燃焼制御用コントローラの開発に従事,2000年より燃焼制御用火炎検出器の開発に従事,現在に至る.

かたぎり むねかず
片 桐 宗 和
2000年神戸大学工学部応用化学科卒業.同年(株)山武(現アズビル(株))入社.藤沢工場開発支援センターに配属.材料研究業務に従事.09年より火炎検出器用センサの生産ライン構築に従事.現在に至る.

ふたむら もとのり
二 村 元 規
1993年静岡大学大学院工学研究科エネルギー機械工学専攻修了.(株)東芝を経て,99年(株)山武(現アズビル(株))に入社.ホームコンフォート事業における空調システムの研究および開発業務に従事.05年アドバンスオートメーションカンパニーに異動し,燃焼安全機器の開発・設計業務を担当.ISO TC244 /WG5にてInternational Expertも務める.日本機械学会正会員.

おちあい こういち
落 合 耕 一
1987年早稲田大学理工学部機械工学科卒業.同年山武ハネウエル(株)(現アズビル(株))入社.技術研究センター配属,マイクロフローセンサ応用機器の開発に従事.90年工業システム事業部へ異動,フィールド機器の構造設計に従事.95年技術研究センターへ異動,フィールド機器用センサパッケージの開発に従事.2000年生産技術開発部門へ異動,レーザー溶接,超音波加工などの基礎研究に従事.07年燃焼安全機器の開発部門に異動,バルブ・アクチュエータを担当,現在に至る.

くまざわ ゆういち
熊 澤 雄 一
1995年早稲田大学電気工学科卒業.同年山武ハネウェル(株)(現アズビル(株))入社.入社以来,燃焼制御機器の電気設計に従事.現在に至る.

受賞論文「燃焼安全技術の開発と燃焼安全ソリューションへの応用」
ボイラなどの熱源機器や工業用燃焼炉などの幅広い分野で必要となる燃焼設備において,近年,さまざまな安全の見直しや,国際規格に整合したJIS規格の改正や制定が行われている.これらに対応したボイラや工業炉の安全構築を行うためには,バーナ・配管周りの燃焼安全設計,機器の選定・運転方法などの見直しが要求される.このような燃焼設備に対するさまざまな規格に基づく安全構築を可能とする燃焼安全技術を確立し,バーナ安全制御,火炎検出センサ,燃料遮断弁を組み合わせた燃焼安全ソリューションを実現した.燃焼設備の多様化/多機能化に対応した拡張性の高さと安全機能を両立させたバーナコントロール技術,信頼性の高い量産化技術をベースとした紫外線火炎センサによる火炎監視,省配線省スペースで二重遮断を実現できる燃料遮断弁,の3つの技術を組み合わせた燃焼安全計装システムを実現.燃焼安全ソリューション提案による顧客の安全構築を総合的に支援できる技術である.

(著述賞)

あだち しゅういち
足 立 修 一 君(正会員・フェロー)
1981年慶應義塾大学工学部電気工学科卒業,86年同大学院工学研究科博士課程電気工学専攻修了.工学博士.86年(株)東芝入社,総合研究所に勤務.90年宇都宮大学工学部電気電子工学科助教授,2002年同教授.この間,1993~96年航空宇宙技術研究所客員研究官を兼務,2003~04年ケンブリッジ大学客員研究員.制御のためのモデリング,状態推定,制御系設計などに関する理論と応用研究に従事.電気学会,日本機械学会,システム制御情報学会,IEEEなどの会員.

まるた いちろう
丸 田 一 郎 君(正会員)
2006年京都大学工学部物理工学科卒業,11年同大学院情報学研究科システム科学専攻博士課程修了.博士(情報学).11年4月~12月日本学術振興会特別研究員PD(於慶應義塾大学).12年1月京都大学大学院情報学研究科特定助教,13年7月同助教となり現在に至る.制御理論とシステム同定の研究に従事.システム制御情報学会の会員.

受賞図書「カルマンフィルタの基礎(2012年・東京電機大学出版局)」
制御工学の勉強をはじめてしばらくすると「カルマン」という名前に出会うでしょう.さらに勉強や研究を進めていくと「カルマンフィルタ」が目の前に立ちはだかってくるでしょう.フィルタと言ったら,電気回路で構成された低域通過フィルタなどのハードウェアや,最近ではディジタルフィルタも耳にしますが,これまで出版されたカルマンフィルタの本を読むと,それらのフィルタとは別世界のもののように感じてしまうかもしれません.本書では,カルマンフィルタはディジタルフィルタの一種であることをはじめとして,カルマンフィルタの基礎について丁寧に説明しました.
本書では,線形ガウシアンカルマンフィルタを中心に,カルマンフィルタアルゴリズムの導出を詳細に解説し,理解を助けるための基本的な例題を多数用意しました.さらに,実際にカルマンフィルタを利用しようとする読者のために,MATLABによるカルマンフィルタプログラム例を記載しました.
本書を読むことによって,カルマンフィルタに対するハードルが少しでも低くなれば,それは著者の喜びです.

(著述賞)

しみず きよたか
志 水 清 孝 君(正会員)
1962年慶應義塾大学理工学部計測工学科卒業.1964年同大学大学院修士課程修了(計測工学専攻).67年ケース工科大学博士課程修了(システム工学専攻).Ph.D.(ケース工科大学).68年慶應義塾大学工学部助手,72年同助教授,80年同理工学部教授,2005年同名誉教授.システム制御,数理計画法,最適制御,ニューラルネットワークなどの研究に従事.IEEE,SICE,ISCIE,IEEJなどの会員.

受賞図書「フィードバック制御理論―安定化と最適化―(2013年・(株)コロナ社)」
本書の内容は「安定化フィードバック制御ならびに最適化フィードバック制御の理論」である.主として非線形システムのフィードバック制御を解説しているが,線形システムにも言及している.内容構成は,1章ではフィードバック制御の概要を述べ,2~7章は安定化フィードバック制御,8~11章は最適化(状態)フィードバック制御の記述であり,12章ではPID制御とP-SPR-D+I制御を解説している.各章の内容は,2章:非線形制御システムの基礎理論,3章:リアプノフ直接法に基づく安定化制御,4章:消散性と受動性に基づく非線形システムの安定化制御,5章:直接勾配降下制御,6章:中心多様体理論に基づく漸近安定化制御,7章:出力フィードバック制御,8章:最適制御の基礎理論,9章:ハミルトン-ヤコビ方程式,10章:線形システムの(LQ)最適レギュレータ問題,11章:非線形最適レギュレータ問題,12章:現代PID制御とその拡張などである.全般に自己充足的な記述になっており,微分方程式と線形代数の基礎知識があれば理解できるように配慮されている.非線形制御全般を解説した和書は少ないので,現代制御論を活用してシステム制御の研究・開発・応用を志す人々のテキストとして有用である.

(新製品開発賞)

受賞製品「アンプ内蔵型光電センサ HP7 シリーズ」
アズビル株式会社 殿
アンプ内蔵型光電センサHP7シリーズは,光電センサを使用するお客さまが必ず実施する行為,すなわち「設置」,「運転」,そして社会的責任である「環境」の3つの項目に着目して,お客さまの作業コスト,運転コストなどのトータルコストの削減を目指した開発した製品である.具体的には,設置時においては誰でも簡単に光軸調整と取付調整ができ,かつ感度調整ばらつきが小さいオートチューニングボタンを標準で備えた.運転時においてはLED照明やインバータ光源などの外乱光に対する耐性向上,ノイズ特にESD耐量の大幅改善,耐シール性の向上を実現した構造により設置環境でお客様が安心して使用できる性能を備えた.また環境面では長寿命(取付部金属,劣化の小さいLED)と省エネ性(消費電流が従来比1/2)を実現したことを特徴としている.
お客様からは小型汎用サイズでありながら,オートチューニングボタンが装備され,安定した設定が簡単に実施できることで好評を得ている.

(国際標準化賞 功績賞)

はりま たろう
播 磨 太 郎 君(正会員)
1984年3月大阪大学大学院博士前期課程修了.同年4月三菱電機株式会社入社.90年7月マサチューセッツ工科大学客員研究員を経験.現在,名古屋製作所開発部規格標準化推進グループ所属.ISO/TC184/SC5,IEC/TC65/JWG13,SC65B/WG7,65C/MT9,65C/JWG10,65C/WG12国際エキスパートおよび国内対策委員.経済産業省 工業標準調査会標準部電気・電子技術専門委員.IEC/TC65国内委員会諮問委員(工業用ネットワーク分科会担当).JEMA/PLC技術専門委員会汎用PLC分科会主査.JIS B3502,C1010-2-201原案作成分科会主査.

対象国際標準規格名:
IEC61158シリーズ:工業用コミュニケーションネットワーク フィールドバスの仕様,IEC61784-1:工業用コミュニケーションネットワーク プロファイル 第1部:フィールドバスプロファイル,IEC61131-2:プログラマブルコントローラ 第2部:機器要求事項及び試験,IEC61131-6:プログラマブルコントローラ 第6部:機能安全PLCの機器要求事項及び試験,など.
2003年に出版の「工業用コミュニケーションネットワーク-フィールドバスの仕様」および「工業用コミュニケーションネットワーク-プロファイル」は,世界で広く使われる19種類の工業用ネットワークの通信仕様,敷設仕様,機能安全仕様を定めたものである.(最新版は2014年に出版)
1992年出版の「プログラマブルコントローラ-第2部:機器要求事項及び試験」は,工業用分野で広く使われるプログラマブルコントローラ-の機能要求事項,EMC要求事項,電気安全要求事項とそれらの検証,提供情報を定めたものである.(2003年と2007年に改訂)
2013年出版の「計測,制御及び試験所用電気機器の安全要求事項-第2-201部:制御機器の特定要求事項」は,IEC61131-2の電気安全要求事項を分離発展させ,工業用制御機器の電気安全要求事項とその検証,提供情報定めたもので,各国の工業用制御機器の電気安全規制の元となるものである.
2012年出版の「プログラマブルコントローラ-第6部:機能安全」は工業用機能安全プログラマブルコントローラの機能安全要求事項とその検証,提供情報を定めたものである.
2007年出版の「工業用コミュニケーションネットワーク-工業用構内へのコミュニケーションネットワークの敷設」は,工業用構内におけるネットワーク敷設基本仕様を定めたものである.(2010年と2013年に改訂)