(2018年2月23日,第8回定時社員総会会場において贈呈)

(学術奨励賞・研究奨励賞)10名
○振動型二関節指制御を用いた触覚センシング
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
大阪大学 森 智史 君

○Level set法に基づく燃料電池の欠陥形状の同定
(第34回センシングフォーラム計測部門大会で発表)
東京大学/JSTさきがけ 三好裕之 君

○視界制限および性能に個体差をもったロボット群の安定性解析
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
京都大学 前田隆馬 君

○高応答な死角捕捉を実現する被覆制御の開発と実機検証
(第4回制御部門マルチシンポジウムで発表)
株式会社豊田中央研究所 柴田一騎 君

○筋電位を用いた動作予測手法に基づく起立支援システムの評価
(第44回知能システムシンポジウムで発表)
パナソニック株式会社 樋山貴洋 君

○自己組織的ターゲット検出モデルによる分布推定アルゴリズムについて
(第10回コンピューテーショナル・インテリジェンス研究会で発表)
大阪大学 岩崎 悟 君

○階段昇降可能な無動力油圧システムを有する大腿義足
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
東海大学 藤野良太 君

○仮想壁を利用した立位機能評価システム~立位年齢モデルの検討~
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
横浜国立大学 坂田茉実 君

○教示作業映像におけるキーフレーム選択とビジュアルサーボを用いた汎用ハンドによる作業の再現
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
東北大学 安達大稀 君

○Microfluidic device for electrophysiological evaluation of individual axons
(ライフエンジニアリング部門シンポジウム2016で発表)
東京工業大学 榛葉健太 君

(学術奨励賞・技術奨励賞)4名
○ツイン投光差分方式による鋼管表面検査装置の開発―光学モデルからのアプローチ―
(第34回センシングフォーラム計測部門大会で発表)
JFEスチール株式会社 大野紘明 君

○痛覚神経の選択的電気刺激方法の考案
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
新潟医療福祉大学 大鶴直史 君

○復帰機能を備えたモデルベース縮退運転システムの実現
(第59回自動制御連合講演会で発表)
電気通信大学 佐々木 翼 君

○自己容量近接覚・触覚センサによる人間共存型ロボットの操作法の提案
(第17回システムインテグレーション部門講演会で発表)
福岡大学 辻 聡史

もり さとし
森 智史 君(正会員)
1992年愛媛県生.2017年大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了.振動入力を用いた二関節指制御の研究に従事.

受賞論文「振動型二関節指制御を用いた触覚センシング」
軽量化,小型化,低コスト化を期待して,関節自由度数よりアクチュエータ数を少なく設定した劣駆動型ロボット指の研究が行われている.これらの機構では,アクチュエータの発生する駆動力を,ワイヤなどを用いて複数の関節に分散して利用するものが一般的である.一方,ロボットリンク系の動力学的効果を利用して,受動関節を制御する研究が報告されている.著者らは,アクチュエータにより駆動される能動関節と弾性要素を備えた受動関節を有する指リンク系(2 関節2 リンク)を取り扱い,振動入力によって指リンク系姿勢を制御する手法を提案している.本研究では,振動型二関節指制御を用いた触覚センシング問題について議論し,力センサレスで柔軟対象物の弾性を推定する手法を提案した.能動関節によって,指先リンクが対象物と接触を維持した状態での定常振動状態を生成し,このときの受動関節の振動中心角から対象物弾性が推定可能であることを示した.

みよし ひろゆき
三好 裕之 君(学生会員)
1994年香川県生.2017年東京大学工学部計数工学科卒業.同年東京大学大学院システム情報学専攻修士課程に進学.現在に至る.外部磁場を用いた燃料電池の欠陥位置推定に従事.

受賞論文「Level set法に基づく燃料電池の欠陥形状の同定」
燃料電池は,水素と酸素の化学反応により電気を得るためクリーンかつ高効率であり,実用化が進められている.しかし,燃料電池は長時間の使用などにより劣化し,電流が偏り発熱することが知られており,実用化の際の欠点となっている.本研究では,燃料電池において化学反応が起こる部分であるMembrane Electrode Assembly (MEA)の欠陥形状の同定を,外部磁場を用いることで推定した.推定には,画像処理の分野で領域のセグメンテーションなどに用いられるLevel set 法を用いた.Level set関数と呼ばれる陰関数をMEA上で定義し,その関数の正負によりMEA上で生じる欠陥の領域を推定した.本手法は,陰関数の正負により欠陥が決定されるため,従来法で必要であった欠陥の個数などの事前情報を必要としない.この手法を用いることで,複数の欠陥がある場合においても,欠陥の大まかな大きさ,形状を推定することが可能であることを示した.

まえだ りゅうま
前田 隆馬 君(学生会員)
1993年兵庫県生.2016年京都大学工学部物理工学科卒業.同年京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻修士課程に進学し現在に至る.群ロボットの誘導制御の研究に従事.

受賞論文「視界制限および性能に個体差をもったロボット群の安定性解析」
複数のロボットを群れとして協調的に制御する群ロボットは,幅広いタスクへの応用が期待されている.群ロボットが活躍を期待されるタスクの多くにおいて,ロボット間の連結を維持しつつ移動することが基礎機能となる.このような特徴をもつロボット群は,群れを構成する各ロボットの機能や性能が異なっていれば,それぞれの特性を活かすことで,同一性能のロボット群ではこなせない幅広いタスクに対応できる潜在性を秘めている.また,移動中の群れ形状の安定化は隊形制御や環境障害物の回避のために重要である.そこで本研究では,視界制限および性能に個体差をもつロボット群を誘導する既存の提案手法について,群れ形状の安定性解析を行う.ここで扱うのは,ロボット群全体の形状と各ロボットの姿勢の安定性である.本研究では,数学的な解析および実機実験により,群れの挙動の安定性を示した.

しばた かずき
柴田 一騎 君(正会員)
2012年京都大学工学部物理工学科卒業.2014年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了.同年(株)豊田中央研究所入社,現在に至る.自動車およびロボットのモデリングと制御に関する研究に従事.

受賞論文「高応答な死角捕捉を実現する被覆制御の開発と実機検証」
車載センサやインフラに設置された固定カメラの情報を共有することで空間情報が合成されるが,完全に死角が無くなるわけではない.交通環境の安全性を向上させるためには,移動センサ群による死角の被覆制御が必要である.しかしながら,移動センサ群に速度性能差がある場合,移動性能に優れた機体が他機のボロノイ領域に囲まれて危険度の高い死角に到達できず,最適配置に時間を要する状況が起こりうる.そこで本論文では,速度性能差を考慮した移動則を被覆制御に組み込んだ手法を提案し,複数のマルチコプタによる死角捕捉実験により提案手法の有効性を検証した.

ひやま たかひろ
樋山 貴洋 君(正会員)
2016年公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科修士課程修了.同年パナソニック(株)に入社.生体信号を用いたヒューマンインタフェース等の研究に従事.

受賞論文「筋電位を用いた動作予測手法に基づく起立支援システムの評価」
近年の高齢化社会に伴い,高齢者の動作を支援する装置の実現が望まれている.起立動作は,動作時において膝に痛みを伴うことや,筋力の低下により動作自体が困難になることがあるため,支援が望まれる動作の一つである.しかしながら,ユーザの起立動作に合わせた自然な支援を行うには,ユーザの臀部が椅子から離れる(離座)前に起立動作を予測し,適切なタイミングで支援を開始する必要がある.そこで本稿では,モーションセンサと筋電センサで計測した,体幹前傾角と下肢筋の活動順に基づいて起立動作の開始を予測し,椅子の座面を稼動させる起立動作装置を試作し, 7名の実験協力者に対して支援装置の有効性を検証した.その結果, 支援を行わない場合に比べて起立動作で働く主要な筋の筋活動量が約30%減少し,本支援システムが起立時の負荷軽減に有効であることが示された.

いわさき さとる
岩崎 悟 君(学生会員)
1992年滋賀県生.2017年大阪大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了.同年同研究科博士後期課程に進学し現在に至る.非線形反応拡散方程式の解析的研究およびそれらの解析結果を用いた進化計算の理論的側面の研究に従事.

受賞論文「自己組織的ターゲット検出モデルによる分布推定アルゴリズムについて」
遺伝的アルゴリズム,進化戦略,群知能などによる関数最適化法は,ブラックボックス関数最適化に対する有用なツールとみなされているが,一方で大域的最適解への収束の保証がないことや,効率よく探索を進めるためのパラメータ設定に実験的な試行錯誤もしくは知識が必要になるなど,理論的側面に課題がある.本研究では,解析が進んでいる偏微分方程式(ターゲット検出モデル)を利用し,性質が良くわかっている力学系に従って確率密度分布が更新されていく分布推定アルゴリズム(EDA)の枠組みを提案した.数値計算による調査から,ターゲット検出モデルに含まれる物理パラメータと,提案したEDAの手続きから得られる確率密度分布の関係を議論し,パラメータの物理的意味によって探索の集中と拡がりを制御できることを示した.本研究においてターゲット検出モデルを用いることは本質的ではなく,別の偏微分方程式で置き換えて議論することも可能であると考えられる.

ふじの りょうた
藤野 良太 君(学生会員)
2016年東海大学工学部機械工学科卒業.同年東海大学大学院工学研究科機械工学専攻課程入学.現在に至る,大腿義足の研究に従事.

受賞論文「階段昇降可能な無動力油圧システムを有する大腿義足」
近年,国内や欧米では糖尿病などを原因とする下肢切断者が年々増加しており,義足の性能向上が求められている.先行研究において,外部動力を一切用いないで平地歩行・階段昇段・階段降段が可能な大腿義足が提案され実験機が製作された.本研究ではこれを大幅に改良し,平地歩行時においては立脚期と遊脚期のそれぞれで膝関節の屈曲(ダブルニーアクション)を発生させ,健常者に近い歩容の再現,階段昇降における健常者と同様のスムーズな交互歩行の実現を目標とした.歩行実験により平地歩行・階段昇段・階段降段すべてにおいて健常者と同じ交互歩行が可能であることが示された.平地歩行では立脚期に約8 degの膝関節屈曲が確認され,目標の達成が確認された.

さかた まみ
坂田 茉実 君(学生会員)
2016年横浜国立大学大学院工学府博士課程前期修了.現在,同大学大学院工学府博士課程後期在学中.2017年から日本学術振興会特別研究員(DC1).仮想壁に基づく立位機能評価モデルの研究に従事.

受賞論文「仮想壁を利用した立位機能評価システム~立位年齢モデルの検討~」
日本における高齢者人口の増加は言及するまでもなく,今後ますますの高齢化率上昇も想像に難くない.高齢者が抱える大きなリスクに転倒があることを考えれば,転倒事故を未然に防止できる方法論が必要不可欠である.本稿では,高齢者の転倒予防を目的とした仮想ライトタッチコンタクトに基づく立位機能評価法に基づき,簡便かつ定量的に被験者の立位機能を計測・評価する新しい評価システムを提案した.そして,それを用いた計測実験によって提案法の有効性と応用可能性について検証した.それを用いた実験を行なうことで,立位機能の年齢モデルの検討を行った.結果より,仮想壁を用いて立位機能の定量化が可能であることや指数関数を用いて立位機能と年齢との関係性をモデル化できる可能性を示唆した.

あだち ひろき
安達 大稀 君(正会員)
1992年青森県生.2015年3月弘前大学知能機械工学科卒業.2017年3月東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻前期2年の課程修了.同年4月セイコーエプソン(株)に入社.現在に至る.ロボット開発業務に従事.受賞論文は東北大学在学時の研究である.

受賞論文「教示作業映像におけるキーフレーム選択とビジュアルサーボを用いた汎用ハンドによる作業の再現」
製造業では,ロボットを利用した変種変量生産が主流となっており,多様な作業に対応できる汎用ロボットハンドの開発や,ロボットの教示作業時間の短縮が求められている.汎用ロボットハンドを用いて作業を行う場合,把持される物体を,ハンドに対して常に同じ位置姿勢で把持することは難しく,何らかの方法で物体の位置姿勢を確認し,作業を実行する必要がある.本研究は,汎用ロボットハンドと,ビジュアルサーボを用いた作業のロボット化における作業教示時間の短縮を目的としたもので,人による教示作業映像から,ビジュアルサーボに必要な目標画像を適切に選択する手法を提案する.まず,教示作業映像から作業を実行する場合に要となる画像 (キーフレーム) を,スプライン関数を用いて自動的に抽出する.つぎに,選択されたキーフレームを用いてビジュアルサーボを行い,作業を実行する.実験によって,簡単な教示作業で作業が遂行できることを示す.

しんば けんた
榛葉 健太 君(正会員)
2011年東京大学工学部精密工学科卒業.2016年同大学院新領域創成科学研究科博士課程修了.博士(科学).2016年より日本学術振興会特別研究員(PD),現在に至る.マイクロ加工技術による神経細胞の計測・制御に関する研究に従事.

受賞論文「Microfluidic device for electrophysiological evaluation of individual axons」
神経細胞は,軸索と呼ばれる突起状構造を介して周囲の神経細胞とコミュニケーションをとる.これまで,軸索は単なるケーブルであり,伝播途中で信号は変化しないと考えられてきた.近年,軸索における信号の調節が報告され,軸索における信号処理が注目されている.しかし,軸索はその小さな構造から計測・刺激が難しかった.本研究では,マイクロ加工技術を利用し,個々の軸索に対して薬理刺激を与え,応答を計測するためのデバイスを開発した.マウス大脳皮質から採取した神経細胞をデバイス内で培養し,軸索の伝播が計測できたことを確認した.さらに,デバイスの有効性を示すため,Naイオンチャネルの阻害剤であるテトロドトキシンを軸索に作用させ,伝播特性の変化を評価した.結果,薬剤の添加により,濃度依存的に伝播速度が低下することが示された.以上より,本デバイスが軸索の薬理応答評価に有用であることが示された.

おおの ひろあき
大野 紘明 君(正会員)
1987年愛知県生.2010年東京大学計数工学科卒業.2012年東京大学大学院システム情報学専攻修士課程修了.同年JFEスチール(株)に入社し現在に至る.鉄鋼プロセスに関する光画像計測の研究に従事.

受賞論文「ツイン投光差分方式による鋼管表面検査装置の開発―光学モデルからのアプローチ―」
鉄鋼製品の表面品質保証はきわめて重要な課題であるが,たとえば高温の赤熱した鋼管表面では,スケール(酸化鉄)や表面模様等の過検出が避けられず,表面検査の自動化は進んでいなかった.筆者らは,そのような表面性状の悪い対象に対して,左右それぞれの光源から照射したときに,欠陥部の形状は凹凸であるため光源方向により陰影のつき方が異なるのに対し,スケールや表面模様の形状は平らであるため光源方向による陰影の違いは見られないことに着目し,左右2方向からの照明による画像の差分処理により,凹凸起因の信号のみ検出する「ツイン投光差分方式」を開発してきた.本研究では,ツイン投光差分方式適用可能条件を明らかにするため,まず対象表面に2方向から照射したときの光の反射現象の光学モデル化を行った.さらに実欠陥サンプルを用いた実験により,その光学モデルが正しいことを確認し,ツイン投光差分方式が成立するための光学条件と効果の関係について整理した.

おおつる なおふみ
大鶴 直史 君(正会員)
1982年佐賀県生.2005年神戸大学医学部保健学科卒業.2007年神戸大学大学院医学系研究科保健学専攻修士課程修了.2010年総合研究大学院大学生命科学研究科生理科学専攻博士課程修了.広島大学医学部保健学科助教を経て,2016年より新潟医療福祉大学リハビリテーション学部講師(現職).触覚および痛覚の脳内情報処理に関する研究に従事.

受賞論文「痛覚神経の選択的電気刺激方法の考案」
臨床において痛覚神経を評価する場合,現在でも針で皮膚を刺激し,痛みを感じるかどうかを問うといった原始的で客観性に乏しい方法が使用されている.そのため,痛覚神経の機能を選択的かつ客観的に評価する方法の開発が望まれてきた.痛覚は Aδ線維と C 線維という 2 種類の神経線維によって伝えられることが知られているが,電気刺激によって痛覚神経線維を選択的に刺激することは困難であるとされてきた.その理由は,触覚を伝える Aβ線維の電気刺激に対する閾値が非常に低いため,痛覚神経を刺激できる強度で電気刺激を行うと,容易に触覚神経活動の混入が起こるためである.そこでわれわれは,この問題点を解決するために表皮内電気刺激法という手法を考案した.この手法は,痛覚を伝える Aδおよび C 線維が存在する皮膚表層に限局した電流を生じさせることにより,痛覚神経のみを選択的に刺激することが可能である.

ささき つばさ
佐々木 翼 君(正会員)
1993年生.2015年電気通信大学情報理工学部卒業.2017年電気通信大学情報理工学研究科博士前期課程を修了.同年,ヤンマー(株)に入社し現在に至る.受賞論文は,電気通信大学在学中の研究成果である.

受賞論文「復帰機能を備えたモデルベース縮退運転システムの実現」
産業用制御システムにおいて,サイバー攻撃による物理的異常発生が大きな問題となっている.これに対して著者は,異常発生後の対応策として縮退運転の実現手法を提案してきた.一方で,現在の手法では縮退運転から通常運転へ復帰するための試運転に問題がある.それは,縮退運転中に行ったサイバー攻撃対応の成否判断が制御対象を用いた試運転でしかできない点である.これでは,対応に失敗していた場合に異常が再発し危険である.そこで本論文では,この問題を解決する手法として実際の制御対象を使用しない仮想的な試運転(仮想運転)を提案した.仮想運転においては,制御対象の入出力モデルを実装したマイコンボードを通常運転制御器の制御対象とする.これにより,実際の制御対象へ物理的な影響を与えることなくサイバー攻撃対応の成否を確認可能である.本論文では,提案手法を実験用制御システムに実装しその有効性を確認した.

つじ さとし
辻 聡史 君(正会員)
2012年佐賀大学大学院工学系研究科博士後期課程修了.同年福岡大学工学部助教,現在に至る.主に電気計測,ヒューマンインターフェースに関する研究に従事.博士(工学).

受賞論文「自己容量近接覚・触覚センサによる人間共存型ロボットの操作法の提案」
近年,人とロボットが同じ環境で協調作業する人間共存型ロボットが注目されている.これらが安全に作業するためには人との衝突を避けることが重要である.また,ロボットを手動操作するためには主にティーチペンダントが用いられるが,操作には専門知識が必要となる.そこで本研究では,ロボット表面を覆うことが可能な近接覚・触覚センサの開発を目指している.これまでに自己静電容量測定を応用し,単純構造でありながら近接および接触測定が可能な近接覚・触覚センサを提案した.当該論文では,試作センサにより近接および接触測定で取得した情報をもとにロボットを安全・簡便に操作する方法を提案した.ロボットアームに取り付けたセンサにより近接にて対象を検知した場合は,ロボットの動きを停止させることが可能であることを実験により示した.さらに,ロボット表面のセンサを手で押すことや挟むことにより,直感的にロボットの操作が可能であることを示し,その有用性を確認した.