主 催

計測自動制御学会 北陸支部

日 時

2024年10月11日(金)16:30~18:00

会 場

福井大学 文京キャンパス 工学系2号館3階 231M教室(以下のURLの20番の建物)

参加費

無 料

題 目

ロボティクスを通じた生物の構築する社会構造の解明

講 師

藤澤 隆介 氏(北九州市立大学 環境技術研究所 准教授)

概 要

本講演では,藤澤が実施している1)群ロボットにおける環境に情報源を残すコミュニケーション手法であるフェロモン・コミュニケーションの有効性,2)サーボスフィアを用いた生物の認知機能の解明,に関する研究を紹介する.前者の研究では,ロボット群が化学物質を用いて情報を共有し,協調動作を実現するためのアルゴリズムとシステムの設計に取り組んでいる.この研究は,社会性昆虫の行動に着想を得ており,エタノールをトレイルフェロモンとして利用し,ロボット間の間接的かつ匿名的な通信を可能にする技術を開発している.研究成果は,シミュレーションと実ロボットを用いた実験の両方で検証されており,特に餌の探索や輸送といった群集行動において,フェロモン・コミュニケーションがロボット群のパフォーマンスを向上させることを示している.後者の研究では,生物が実環境からどのような情報をセンシングし,行動へ反映させているかを特定し,群ロボットにアルゴリズムを実装する際にどのようなセンサ構成,処理系の設計を行うべきかの指針としている.「集団的な振る舞い」というマクロな現象から「生物個体の認知機能」というミクロな現象を横断的に研究することで生物の構築する社会構造の解明を目指すアプローチを紹介する.

問合せ先

福井大学 梅本 和希
E-mail: umemoto@g.u-fukui.ac.jp