"会長就任に就任して"
―学会の価値実現を目指して―

2020年度(令和2年度)会長: 国立研究開発法人産業技術総合研究所 特別顧問
小野 晃

 本年2月28日付けで、社員総会の議決により公益社団法人計測自動制御学会(SICE)の第59期会長に選任されました。長い歴史のある学会の会長就任にあたり、その重責に改めて身が引きしまる思いでおります。学会を支えていただいている個人会員と賛助会員の皆様、部門と支部で活躍しておられる方々を支援しつつ、学会のさらなる発展に力を尽くして参ります。
 2020年は年初より新型コロナウイルスの感染が発生し、国民に感染拡大防止の対応が要請されました。当学会もこれらの要請に応え、3月の中規模ないし大規模な集会はすべて中止または延期としました。可能な限り早期に活動を再開できることを期待しているところです。
 2020年は9月にタイのチェンマイでSICE Annual Conferenceを開きます。多くの会員の皆様のご参加を期待しております。英文論文集をはじめとして、2020年を国際化推進の好機と捉えたく思います。
 昨年1年間副会長としてSICEの活動全般に携わってきましたが、9月の拡大理事ワークショップ(旧拡大理事会)で、SICEの幹部約40人が集まって課題を討論しました。重要課題としてつぎの3つを取り上げてさまざまな角度から検討しました。
A. SICEの価値領域の明確化と社会が掲げる課題への貢献(Society 5.0,国連SDGs等)
B. 異分野協調と新分野への対応
C. 会員数減少への対応
 AとBはSICEの前向きの課題で、Cは学会の基盤強化に関わる課題です。ワークショップの議論を踏まえて、2020年度のSICEの中期的課題とそれに対する事業計画を作成しましたが、それぞれの中期的課題に関する私なりの考え方をご紹介したいと思います。
 AのSICEの価値領域についてですが、計測・制御・システムの中核学会としてSociety 5.0や超スマート社会への関心が高いことがSICEの特徴です。このような社会的課題に正面から取り組める学会は日本には少ないのが現状です。分野を横断した取り組みができるSICEは、貴重な存在と感じています。2020年度では引き続き社会的課題の解決に学会として重点的に取り組みたいと思います。
 Bの異分野協調と新分野への対応についてですが、この課題はAの課題とも密接に関わっています。Society 5.0や超スマート社会などの課題はひとつの専門分野だけで解決できる問題ではなく、多くの分野を取り込んだ総合的な取り組みが必要になります。そこでは共同研究はむしろ必然であり、そのような中から新分野も生まれてくるものと期待します。異分野協調と新分野への対応を大きな枠組みで捉えて、SICE発展の原動力としたいと思います。
 Cの会員数減少への対応についてですが、1990年に1万人を超えんとしたSICEの会員数が、2020年では約5千人までほぼ直線的に減少して来ました。減少の開始時期はバブル崩壊にぴったりと重なります。残念ながら減少は現時点でいまだ底を打っていません。会員の中でも特に企業会員の減少が著しく、その歯止めが急務になっています。
 一方、会員数の減少にもかかわらず、各部門大会への参加者は、2000年の部門制発足以来増加し続けています。SICEの活動はここ20年でむしろ活発化したともいえます。そのことと会員数減少との関係をどのように捉えるかは課題です。最近企業会員の中から活発に講演会等のアイディアが出てきていることは心強い限りです。
 企業会員とSICEとの関係をさらに強めていくために、 新製品・新サービスなどの企業成果がSICEに対して持つ価値を改めて見直したいと思います。企業の技術戦略に関してSICE内で広く意見交換できる場が持てればとも考えます。また企業から多くの研究論文が提出されることを期待したく、企業論文をどのような形式で表現したら効果的かを検討したいと思います。
 SICEの財務状況については一時期の赤字傾向から脱却し、ここ2~3年は黒字傾向となっています。会員各位の節約へのご協力のおかげと感謝します。また事務局職員の財務改善への理解と協力も大きかったことを申し添えます。黒字傾向をいかに定着させていくかが今後の課題です。引き続き会員各位のご理解とご協力をお願いいたします。
 黒字傾向を定着させる中で、効果的な予算運用ができればと考えています。節約を旨とするこれまでのお願いとともに、部門・支部活動をより活性化するために予算を有効に活用したいと考えています。
 上記の運営方針の下、新体制の役員一同、学会の発展に向けて努力して参ります。SICE会員並びに賛助会員の皆様の引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

正会員、学生会員、賛助会員のご入会方法は、入会申し込み会員特典・年会費をご覧ください。または、SICE事務局会員係(電話:03-3292-0314)までお問合せください。

学会概要

会員募集

計測自動制御学会では会員を募集しております。皆様のお近くのかたで入会ご希望のかたがおられましたら、ぜひ入会をすすめてくださいますようお願いいたします。

入会するには……入会申込書により入会申込みと同時に会費をお納めいただき、理事会の承認によって入会できます(入会金、紹介者不要)。