研究・開発・教育啓蒙・管理運営その他の活動を通じて,本会の関与する分野の学問技術の発展に顕著な功績のあった会員を顕彰するために設けられた「フェロー制度」による第28回のフェローが決定し,10月27日,東京工業大学(産業応用部門大会2015年度大会 会場)において,井村順一君,相吉英太郎君の2君に称号が授与された.

いむら じゅんいち
井 村 順 一 君 (正会員)
ハイブリッド制御,ネットワーク制御,非線形制御の理論などで多大の成果を上げてきた.またこれらにより本会の論文賞やパイオニア賞を始め,数々の賞を受賞し,斯界に大きく貢献してきた.さらに多くの優秀な学生を輩出,4冊の著書をあらわすなど,教育面における貢献も大きなものがある.本会においては,総務理事やSICE英文論文集委員,制御部門国際化委員長などをつとめ,またそれ以外ではIEEE CSSのBoard of Governorsの委員として,IFACの委員として,また数々の国際誌の編集委員として,SICEとわが国の国際化に大きく貢献してきた.その他数々の国際会議の委員として現在も活躍中である.さらにJST CRESTの代表研究者を務めるなど,その功績は誠に顕著である.

略 歴

1988年 3月 京都大学工学部精密工学科卒業
1990年 3月 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了
1992年 9月 京都大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程中途退学
1992年10月 京都大学工学部助手
1995年 1月 京都大学博士(工学)
1996年 8月 広島大学工学部助教授
2001年 4月 東京工業大学大学院情報理工学研究科助教授
2004年10月 東京工業大学大学院情報理工学研究科教授,現在に至る

本会関係

2001~ 2年度 論文集委員
2004~ 5年度 国際委員会委員
2004~ 6年度 制御部門マルチレゾルブドシステム調査研究会主査
2007~ 8年度 学会賞委員
2007~12年度 JCMSI Associate Editor
2011~12年度 総務理事
2013年度~ 代議員

あいよし えいたろう
相 吉 英太郎 君 (正会員)
システム最適化のための計算手法の研究開発,特に多目的性・階層性・競合性・不確実性を伴う多様なシステム最適化のための方法論の研究に精力的に取り組み,とくに近年ではニューラルネットワークの学習アルゴリズムやカオス最適化手法の実用化に注力するなど,システム工学における最適化技術の発展と実用化に関して顕著な成果を上げてきた.1988年と2012年の2度にわたって本会の論文賞を受賞するなど,研究成果は高く評価されている.本会の運営においても,システム・情報部門発足当時の部門長として,部門規程の制定や部門学術講演会(SSI)の立ち上げなど,部門組織の確立に尽力したほか,システム工学部会主査,理事(会誌編集委員会副委員長・委員長)などの要職を務めており,本会への貢献はきわめて大きい.

略 歴

1975年 3月 慶應義塾大学工学部計測工学科卒業
1977年 3月 慶應義塾大学大学院工学研究科計測工学専攻修士課程修了
1980年 3月 慶應義塾大学同研究科同専攻博士課程単位取得退学
1980年 4月  慶應義塾大学工学部助手
1980年10月 工学博士学位取得(慶應義塾大学)
1985年 4月 慶應義塾大学理工学部専任講師
1989年 4月 慶應義塾大学理工学部助教授
1996年 4月 慶應義塾大学理工学部教授

本会関係

1970年 5月 本会入会
1988年 8月 論文賞受賞
1989~90年度 会誌編集委員会委員
1992~93年度 論文集委員会委員
1993~94年度 事業委員会委員
1994~95年度 部会・部会研究会委員会委員
1999~2000年度 システム工学部会主査
2001~02年度 システム・情報部門長
2005年11月 システム・情報部門賞 優秀論文賞
2006年度 会誌編集委員会副委員長
2007年度 会誌編集委員会委員長
2006~07年度 理事
2008~11年度 技術史委員会委員(「本会50年史」編集)
2009年~10年度 ニューラルネットワーク部会主査
2010年 9月 FANシンポジウム大会副委員長
2012年 8月 論文賞(友田賞)受賞