主 催

計測自動制御学会

企 画

教育・認定委員会人材育成WG

計測自動制御学会では,現場に精通したプロセス制御関連技術者を300名育成することを目指し,2006年度から3年間,さらに2010年度から3年間そして2013年度から3年間の合計9年間にわたりプロセス制御専門家養成塾(略称 SICEプロセス塾およびSICE続/続々プロセス塾)を開校し,大好評のうちに計画目標を達成することができました.300名の修了生たちは計測と制御の国内外現場を支え,近未来の技術INNOVATIONに貢献するはずです.これら活動実績について①産業界を中心とした多くの会員からさらなる塾継続の要望が強く,②技術知識吸収の成果以外にも人材交流・人脈開発などコミュニケーション・スキル育成の視点でも高い評価が人材育成WGへ日々多数寄せられています.骨太の専門家をさらに多数養成し社会へ投入することがなお喫緊の産業界課題と認識されます.SICE人材育成WGではこの要望を受ける形で,本年度から「SICEプロセス新塾」と命名し,さらに企画をパワーアップした専門家養成塾を2016年度から3年間の時限企画としてスタートさせます.この御案内はその初年度の募集案内となります.

SICEプロセス新塾」では実用性のある高度な技術の伝承を第一の目的としますが,技術そのものを教育するのではなく,現場がわかり,自立でき,そして社外人脈を活用できる人材の育成がさらに大きな目的です.修了した塾生がプロセス制御分野の核となって,産業界の推進エンジンとなる,骨太な専門家となることを期待しております.塾長は元SICE会長で東京大学名誉教授の北森俊行先生です.制御の現場と理論の整合性をご教授いただくとともに新塾を主宰していただきます.そのもとで,プロセスの制御と計測に関する産業界と大学のトップレベルの講師陣が指導いたします.

新年度(2016年6月~2017年3月)は①通信講座(各講師陣が作成した合計1,000ページを超えるテキストを受講生各自が学習し,課題に解答し理解を確認する)と,②5回のスクーリング(宿泊つき研修によって実習を含めた講師・塾生間のインタラクティブな講義と討論を行う)の両者によって,実のある成果が得られるように工夫致します.また,③講師を交えた工場現場の見学を2回実施いたします.さらに④各回必ず技術交流会を講師を交え夕刻に実施し,SICEプロセス新塾人脈ネットワークの構築を目指します.⑤プロセスの安全に関する特論講座を実施します.また⑥受講生間での理解相互確認機会をスクーリング時に設定し,受講生の講座理解度アップを促進します.なお従前通り,⑦修了者はSICE「計測制御エンジニア補」資格認定試験(*注2) の試験免除合格者(予定)となります.当講座は国内95の工学系学協会が所属する創立136年の日本工学会のECEプログラム(*注1) に認定されており,⑧一定の基準を満たした修了者にはECEプログラム修了認定証(認定番号付)が合わせて授与されます.具体的な応募要領および申込みについては,下記をご参照ください.

■講師陣:(敬称略)

塾長:北森俊行(東京大学名誉教授)
講師:伊藤利昭(元名古屋工業大学),重政 隆(東芝三菱電機産業システム(株)),小河守正(アズビル(株)),本多 敏(慶應義塾大学),鈴木 剛(元東洋エンジニアリング(株)),
富田芳生(元横河電機(株)),加納 学(京都大学),橋本芳宏(名古屋工業大学),岩村忠昭(元川崎製鉄(株))奥津良之(アズビル(株)),石田 尚(東芝三菱電機産業システム(株)),佐々木尚史(横河電機(株)),大木隆平(元IHI) ,茂森弘靖(JFEスチール(株))ほか.

■期 間

2016年6月(開校)~2017年3月(修了)

■募集条件

・ プロセス制御・計測の分野での経験(企画・開発・設計・実装・保守など)が10年程度あること.
・ 通信教育講座(自己学習,なお課題は毎回提出)を行いスクーリングに原則としてすべて出席可能なこと.

■通信講座とスクーリング概要,日程,場所,講師

通信講座は配本されるテキストを自己学習(出題された課題に回答し,毎回提出)します.スクーリング日程は以下のように確定ですが,講座名および講師は変更されることがあります.
●1回目:6月10日(金),11日(土) 日吉(慶應義塾大学)
・ 開校式と塾長講義・現場と理論の整合性 北森俊行塾長
・ 産業の発展とプロセス制御の役割/安全特論 伊藤利昭講師
・ 計測の理論と実際   本多 敏講師
・ プロセス制御の基礎 重政 隆講師
・ PID制御の実際      富田芳生講師
(理解相互確認タイムA)
●2回目:7月29日(金),30 日(土)(宮城県仙台市)
・ 電力プラント計装の実際 大木隆平講師
・ プロセスのモデリング 加納 学講師
・ プロセス制御のための化学工学演習 橋本芳宏講師
・ 工場見学(石炭火力発電プラント 詳細後報)
(理解相互確認タイムB)
●3回目:10月7日(金) 京都(京都大学)
・ モデル予測制御の実際 小河守正講師
・ 計装の基礎と実例 鈴木 剛講師
・ 調節弁技術の概説 奥津良之講師
●4回目:12月2日(金),3日(土) 日吉(慶應義塾大学)
・ プロセスの安全特論(1) 富田芳生講師
・ プロセスの安全特論(2) 小河守正講師
・ プロセスの安全特論(3) 橋本芳宏講師
・ プロセスの安全講演 ゲスト講師(後報)
・ プロセスにおける電動機制御 石田 尚講師
・ 製紙プロセスでの計測と制御 佐々木尚史講師
     (理解相互確認タイムC)
●5回目:2017年3月3日(金),4日(土)(岡山県岡山市)
・ 鉄鋼計測と制御の概論,計装の実務 岩村忠昭講師
・ 鉄鋼品質の現状,その制御 JITの活用 茂森弘靖講師
・ 工場見学(JFEスチール(株)西日本製鉄所)
     (理解相互確認タイムD)
・ 修了式 北森俊行塾長

■募集人員

約40名 ※応募者が多数の場合,人材育成塾WGにて調整選考を行うことがある.

■参加費用

15万円/人
講義のテキスト代,スクーリング宿泊費を含む.交通費は含まず(各自負担).支払い方法は, 別途連絡.
※支払いは前期分8万円(8月迄),後期分7万円(10月以降3月迄)の2回に分けることができます.

■申込締切

2016年5月31日(火)厳守

■申込先

「SICEプロセス新塾2016受講希望」と表記し,塾生の氏名,ふりがな,連絡先(〒,住所,所属,部署名),電話,FAX,E-mailを明記して
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-303
(公社)計測自動制御学会 SICEプロセス新塾係
E-mail:office_educ@sice.or.jp までメールにてお申し込みください.問い合わせは電話(03)3814-4121,FAX(03)3814-4699 担当迄.

(注 1)ECE高度技術者教育プログラム(Engineering Capacity Enhancement Program)の略称であり,①プロフェッショナルとしての専門能力の向上,②多様性を受け入れ,異分野技術を取り入れていける能力の向上,③グローバルな競争力の強化に寄与できる能力の向上,④社会人基礎力の向上,の各到達目標を満たす良質な技術者教育プログラムを指す.認定プログラム修了者は日本工学会HP上に認定番号と氏名が掲載される.(日本工学会HP)
(注 2)計測制御エンジニア(計測制御エンジニア,計測制御エンジニア補,計測制御エンジニア(アカデミック)の三種)とは(公社)計測自動制御学会が認定する技術者資格を指す(詳細はこちらを参照)