計測と制御 Vol.58. No.12
表紙
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(掲載から1年は計測自動制御学会 会員の方のみ)
特集 制御システムセキュリティの現状と対策に関する課題
コンピュータの普及とともに発生したサイバー攻撃は,従来企業の基幹システムやインターネット環境が対象であるといわれてきたが,2010年以降は製造事業所や工場の制御システムも対象に含まれることになった.特に2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えているわが国では重要インフラへのサイバー攻撃に対する防御を含めた対策の実施が重要課題となっている.一方でサイバー攻撃の多くが不十分な日常管理に起因する脆弱性を対象とすることも明らかになっており,高度なセキュリティ対策もさることながら,基本的な対策の普及と徹底の重要性も重要な対策となることが明らかになってきている.このことは,本学会会員が多く所属する企業体においてもセキュリティ対策の普及が重要なテーマとなることを示している.
本特集では,BA(ビル制御)・FA(ファクトリ制御)・PA(プロセス制御)等にて使用される制御システム (ICS: Industrial Control System)を主要な対象としたセキュリティの現状を整理すると共に対策の全体像と今後の展望に加えて,多数の構成機器が関係する一方少数のセキュリティ専門家が対応せざるを得ないICS分野で対策をいかに普及させていくべきなのか,アンケートやヒアリングを通じて得られた結果も含めて課題と提案について報告を行う.
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