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特集:データで駆動するシステム制御−理論と応用の新展開と最前線


制御系設計において,制御対象のモデルに基づくアプローチが最も合理的であるが,一方で,実用上のさまざまな理由でモデル化が難しいような状況では,データを直接用いて制御器を設計・更新する方法も有益な活路である.また,理論的にも,データを直接に制御系設計に反映させることで,新しいシステム論的成果や設計手法を生み出すことも期待できる.
このようなデータ駆動のアプローチにおける新しい潮流について,理論と応用の双方の観点から最新の研究動向や今後の展望を整理しまとめておくことは,本学会が対象とする分野に属する読者と関係者,とりわけ,実企業においてこれらの方法の適用を興味または必要に応じて検討しようとする技術者,今後の新製品や新規開発に向けた新しい方法論としてこれらの考えを習得しようとする研究者,また,大学などにおいてこれらのデータ駆動制御の新しい考えを勉学・研究しようとする学生や研究者等にとって,有意義であると考えられる.ひいては,このような一連のデータ駆動制御の研究の体系化を意識して特集記事としてまとめておくことは,今後のこれらの関連のアプローチの発展と実用化にとっても,有益な情報源となると期待できる.以上が,本特集記事の趣旨である.

計測と制御 Vol.63 No.3 目次

リレー記事「FACE the future」《第62回》日常歩容解析技術:足元からヘルシーライフの未来へ[PDF]
黄 晨暉(日本電気)

特集 データで駆動するシステム制御−理論と応用の新展開と最前線−

[総論] データ駆動制御のこれまでの流れと最新の研究動向[PDF]
金子 修(電通大)
[解説] リアプノフ方程式のデータ駆動解法
東 俊一(京都大),坂野 幾海(名古屋大)
[解説] 制御の視点で強化学習
定本 知徳(電通大)
[解説] 近似モデルとデータを統合した制御器パラメータ調整−ベイズ最適化によるアプローチ−
藤本 悠介(北九州市立大)
[解説] データ駆動型安定余裕推定
種村 昌也(信州大)
[解説] 定値制御系に対する外乱抑制のためのデータ駆動制御器調整
増田 士朗(東京都立大)
[解説] データベース駆動型 PID 制御の新しい展開
木下 拓矢,脇谷 伸,山本 透(広島大)
[解説] 目標応答はどうやって決めるのか?−データ駆動制御・予測における新しいアプローチ−
金子 修(電通大)
[事例紹介] 油圧ショベルのデータ駆動型掘削支援制御による作業効率化への取組
洪水 雅俊(コベルコ建機)
[事例紹介] 実験データにもとづく運動リハビリテーションシステムの自動調整の試み
中谷 真太朗(鳥取大)
[事例紹介] Arduino/LEGO 教材を利用したPID制御の教育事例−経験則,モデルマッチングからデータ駆動制御,外乱補償まで−
川田 昌克(北九州高専)
[技術報告]〈2023 年度 SICE 技術賞受賞紹介記事〉位相型回折格子を用いたラテラルシアリング干渉計による距離計測[PDF]
藤井 絵理,古谷 雅,藤原 久利(アズビル)
[編集後記] 金子 修(電通大)[PDF]