論文集抄録
〈Vol.58 No.6(2022年6月)〉

タイトル一覧
[論 文]

[ショート・ペーパー]


[論  文]

■ 市区町村の統計表を考慮した都道府県単位の個票データの合成

芝浦工業大学・原田 拓弥, 関西大学・村田 忠彦

 本論文では,都道府県の個票データを合成する際に市区町村単位で集計された統計表との差も最小化する手法を提案する.
人口20万人未満の市区町村では,従来手法が用いていた詳細な統計表が公開されていない.
そのため,推計した統計表を用いて個票データを合成していた。
 本論文では,都道府県単位で個票データを合成する際に都道府県下に属する市区町村の統計表を考慮する手法を提案する.
実験結果から,個票データから作成する統計表と実統計表との誤差を従来手法より1/7から1/140に削減することに成功した.


 

■ 対話と道具利用が必要となるお弁当盛り付け行動実現を通した家事支援ロボット研究の基盤システム構築

東京大学・種本 雅,長谷川 峻,岡田 慧,稲葉 雅幸

 本論文ではお弁当盛り付けタスクを家事支援タスクの一つとして見つめ直し,その行動実現を通して家庭で働くロボットに共通する課題点を発見し,家事支援ロボットによる行動実現の土台となるシステムを構築することを目指す.双腕ヒューマノイドロボットによるお弁当盛り付け行動実現を通して,同種であっても形状が異なる物体を扱わなければならない点,ユーザーの嗜好を考慮して目標行動を定めなければならない点,一連の動作を1台のロボットが自律的に行わなければならない点などが,工場での作業にはなく家事支援特有の難しさであることが分かった.そして,これらの課題点を解決するために「環境と操作対象物体の認識」「対話による情報の取得」「情報の記憶」「取得した情報を用いた目標考案」「道具を利用した対象物体の操作」の5つのブロックからなるシステムを提案する.


 

■ 歩脚の減少・増加に対応可能な接地点追従式6脚移動制御

名古屋大学・細萱 広高,南山大学・稲垣 伸吉,名古屋大学・鈴木 達也

 本稿では,接地点追従法を用いた6脚移動ロボットにおいて,歩行中の歩脚の減少・増加に対応可能な歩行制御法を提案する.接地点追従法は事象駆動型の分散歩行制御法である.接地点追従法を歩脚数の変化に対応できるようにするために,脚を歩脚に用いるか否かの歩行フラグと接地点を継承する脚間の隣接情報を定義し,それらを接地点追従法の制御オートマトンに導入する.改良した接地点追従法は,歩脚の減少・増加に関わらずデッドロックフリーかつ支持三角形を常に維持できることが証明される.実機実験により,提案手法を用いて,歩脚の減少・増加に対応できることと,歩脚が減少した状態でも不整地環境を踏破できることを確認した.


[ショート・ペーパー]

DD-CLUTと準最適なVRFTの等価性について

北九州市立大学・佐藤宏樹,藤本悠介

 本研究は,Virtual Reference Feedback Tuning (VRFT) とData-Driven Closed-Loop Update Tuning (DD-CLUT)の二つのデータ駆動制御手法に関して議論を行う.
 これらは異なる議論から導出された手法であるが,本研究はDD-CLUTがVRFTの特殊な形,特に準最適なVRFTとして知られているものに等価であることを示す.
 この結果は,VRFTも更新後の閉ループ特性と規範モデルの重み付き誤差を最小化していると解釈できることを示す.